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(無題)

 投稿者:田中  投稿日:2008年12月19日(金)05時35分27秒
返信・引用
  来年1月20日に就任する米国の民主党オバマ新政権の世界戦略の原型とな
りそうなものが、今年9月に出されていた。民主党系のシンクタンク「ブルッ
キングス研究所」が中心に進めた研究事業「世界的不安定管理」(もしくは
「世界規模の不安定さを管理する」、Managing Global Insecurity、MGI)
の報告書「転換後の世界における国際協調新時代の行動計画・2009-10年
とそれ以降」(A Plan for Action - A New Era of International Cooperation  for a Changed World: 2009, 2010, and Beyond)である。
http://www.brookings.edu/reports/2008/11_action_plan_mgi.aspx

 この報告書のまとめ役は、民主党クリントン政権の国務長官だったオルブラ
イトだが、共和党政権の元高官であるアーミテージやスコウクロフトもメンバ
ーに含まれており、超党派の形式を取っている。後述するFT紙の記事による
と、報告書の中身を練った中心人物の一人は、クリントン大統領の首席補佐官
だったジョン・ポデスタ(John Podesta)で、彼はオバマ陣営の政権移譲チー
ムを率いる人物だ。
http://www.ft.com/cms/s/0/05c36962-c594-11dd-b516-000077b07658.html

 この報告書は国連を重視しているが、オバマ次期大統領は、オルブライトの
弟子の一人で、報告書をまとめたブルッキングス研究所の出身であるスーザン
・ライスを国連大使に指名している。彼女は以前から、国際紛争を解決するた
めに国連を強化すべきだと主張している。オルブライト自身、クリントン政権
で国連大使から国務長官に昇格した。
http://www.nytimes.com/2008/12/01/us/politics/01rice.html
http://news.aol.com/political-machine/2008/12/01/condi-or-susan-what-kind-of-rice-do-you-like/

 スーザン・ライスはクリントン政権で国務省にいたが、今回の大統領選挙で
はクリントン陣営を離脱してオバマを支持し、オバマの外交顧問となった。そ
のため、国務長官になるヒラリー・クリントンはスーザン・ライスを嫌ってお
り、国務長官と国連大使という米政府の世界戦略を体現する2人が敵対すると
いう見方がある。しかし実際のところ、ヒラリーの姿勢は、夫の政権出身で今
回はMGI報告書を作ったポデスタやオルブライトに近い。ヒラリーとスーザ
ン・ライスは本質的に対立せず、むしろ報告書の戦略に収斂するだろう。
http://news.antiwar.com/2008/12/09/obamas-dueling-transition-teams/http://www.newswithviews.com/Kincaid/cliff276.htm

▼内政不干渉の原則は「古くさい」

 この報告書は「今後50年間の世界を安定繁栄させるための戦略」とされる
が、その特徴の一つは「内政干渉」を容認する点だ。国家主権より上位に「世
界政府」(婉曲表現では「グローバル・ガバナンス」)のようなものを組織す
るためである。その根拠は以下のようなものだ。

 現在の世界が抱える問題の多くは国際的であり、国際テロや核兵器技術の拡
散、環境問題、金融破綻など、一つの国の国内問題が放置されると、他の国々
に悪影響を与える。第二次大戦の終戦時に定めた現在の世界体制では、国家主
権を重視するあまり、ある国が他国の内政に干渉するのを禁じたが、内政不干
渉の原則を神聖視すると、国際問題の解決が難しくなる。内政不干渉の原則は、
もはや古くさい。世界各国は国内問題だけに責任を持てば良い時代は終わった。
世界各国は、国際問題にも責任を持たねばならない。この新しい概念を「責任
国家主権」(世界に責任を持つ国家主権。responsible sovereignty)と呼ぶ。
他国に迷惑をかける国は「責任国家主権」の義務を果たしておらず、他国から
内政干渉されても文句を言えない、というのが報告書の主張である。

「悪い国の内政には干渉して良いんだ」という考え方は、ブッシュ政権の「単
独覇権主義」と同じである。その前の「国際協調主義」だったクリントン政権
でも、オルブライトが国務長官になったときに「ならず者国家」(アフガニス
タンやイラク、北朝鮮など)の概念として出ており、MGI報告書は、クリン
トン型に戻っただけとも言える。しかし、クリントン時代は「米英中心体制」
が基調だったのに対し、今回は「多極体制」が基調となっている点が違っている。

 MGI報告書では、米英中心のG8は時代遅れ(outdated)だと規定し、
G8に代わるものとして、G8に中国、インド、ブラジルのBRIC諸国や、
南アフリカなどを加えたG16の新設を提案している。この提案は、すでに
11月15日に開かれたG20金融サミットとして実現している。

 ここ数年、BRICや南アなどは、非米同盟的な色彩を強めているので、
G8をG16に転換することは、多極化の推進である。来年のG8サミット開
催国はイタリアだが、イタリアの現政権は「ロシアをEUに入れるべきだ」
「ドルの覇権は終わった。次の国際通貨体制を早く検討すべきだ」などと主張
しており、サミットではG8をG16(もしくはG20とか、世銀のゼーリッ
クが提唱するG13)に拡大する話が出るかもしれない。

▼多極型世界政府に反対する英国

 報告書は「国際協調体制を再活性化できるのは、世界の中で、米国だけであ
る」として、米国が世界を主導する体制に戻ることを主張している。だが今後、
米国が率いる世界は、以前のような英国が黒幕的に存在し、米英の下に日欧な
ど他の先進国が並び、その下にBRICなど新興諸国や発展途上国が並ぶとい
う英米中心体制ではない。今後の米国は、欧日より対米従属傾向が低い新興諸
国や途上国が台頭する多極的な世界を率いることになる。

 報告書は、題名が「転換後の世界における国際協調新時代の行動計画」とな
っているが「転換後の世界」とは、多極型に転換した後の世界のことである。
この転換は、ブッシュ政権が金融危機を悪化させ、イラクやアフガンの占領を
失敗させて、米国の覇権が崩壊し始めた結果として起きている。

 米国の覇権体制には、当初の1940年代から英国がとりつき、70年代か
らは(おそらく英国の代理勢力として)イスラエルもとりついて、事実上、英
イスラエルが米国の世界戦略を牛耳る「米英中心体制」だった。冷戦終結によ
って、この体制が振り切られるかに見えたが、英イスラエルは依然強く、クリ
ントン政権は国際協調主義が掲げたものの、反ロシア的なコソボ紛争など英国
好みの紛争が誘発され、中東も常に不安定だった。協調主義とは名ばかりで、
実質的には米英覇権体制だった。

 だがその後、ブッシュ政権が英イスラエルに好都合なはずのテロ戦争(第2
冷戦)やイラク侵攻を、過激に無茶苦茶にやって失敗させたおかげで、今や英
国もイスラエルも弱体化している。今回オバマ政権になるとともに、MGI報
告書によって再び国際協調主義が掲げられたが、その本質は、クリントン時代
とは全く異なっている。英イスラエルは影を潜め、米国が協調する相手は、中
国やロシア、中南米諸国、イスラム諸国など、米国が傀儡化できない勢力とな
っている。ブッシュ政権がやったことは結果的に「英イスラエル外し」であった。

 報告書は世界各国に国際社会への貢献を強いるとともに、国連に、国際紛争
を軍事的に解決するための5万人程度の軍隊(予備軍)を創設することを提案
している。国連を強化して「世界政府」的な色彩を強めようとしている観があ
る。しかし、世界政府案の中身は、クリントンやブッシュの時代とは大きく異
なる。以前の世界政府案は、NATOが世界軍になり、G7が世界政府になる
という米英中心型だった。だが今回の世界政府案は、NATOがアフガニスタ
ンで壊滅に向かい、G7がG16またはG20に変身し、国連が反米の左翼と
イスラム主義に乗っ取られる中で出てきている。今後、世界政府を思わせる動
きが拡大するとしたら、それはBRICが台頭して米国と肩を並べる多極型と
なる。

 MGI報告書は「世界を主導するのは米国しかいない」とぶち上げるが、米
国は今後、金融と軍事占領の崩壊拡大で弱体化が進むと予測される。それと合
わせて考えると、米国の指導力は限定的となり、ロシアや中国の助けが不可欠
となる。常設の国連軍が創設された場合、そこでは米軍がロシア軍や中国人民
解放軍と協調せざるを得なくなる。欧州では、NATOがすたれ、今後形成さ
れるであろうEU統合軍が重要になる。英国は「欧州の辺境」に戻る。

 英国のFT紙は12月9日、MGI報告書について、世界政府計画のにおい
が感じられると指摘する記事「世界政府が提案される時が来た」(And now for a world government)を出した。記事は「EU統合を世界に広げると世界政府
となるが、EUは、国家主権の放棄に反対する各国の民意を無視し、統合推進
が国民投票で否決されても、可決するまで再投票させるインチキぶりだ。世界
政府とは、民主主義を踏みにじる独裁的なものだ」という主旨で、オバマが
推進しそうな多極型の国連強化による「隠れ世界政府主義」を批判している。
多極化によって振り落とされる英国の国益を代弁するかのような記事だ。
http://www.ft.com/cms/s/0/05c36962-c594-11dd-b516-000077b07658.html

▼各地域の多国間組織を強化する

 MGI報告書はまた、国連安保理の常任理事国が持っている拒否権システム
を自己改革すべきだと主張する一方で、安保理の議席拡大は良いことだが、そ
れを09年にやるのは時期尚早だと言っている。なぜ時期尚早なのか、報告書
には書いていないが、今後、時期があとになるほど、世界経済の構造転換によ
ってインドやブラジル、アラブ諸国などが台頭する半面、欧州や日本の相対的
地位は下落する。ドイツや日本ではなく、インドやブラジル、サウジアラビア
などを常任理事国にしたいという多極化の意志があるなら「09年は時期尚早」
と言うのは当然だ。

 報告書は、これまで安保理や米英中心体制で解決が試みられることが多かっ
た世界各地の地域紛争を、その地域の多国間組織によって解決する方向に転換
することも提唱している。これも、多極化の方向である。中南米では反米的な
多国間組織が立ち上がるだろう(エクアドルを皮切りに反欧米的な債務不履行
宣言が広がるかも)。北朝鮮核問題では、オバマ政権は中国中心の6者協議を
重視するだろう。クリントンは北朝鮮と直接交渉したが、オバマがその体制に
戻ることはなさそうだ。
http://www.telegraph.co.uk/finance/globalbusiness/3759173/Ecuador-default-Fears-grow-that-others-will-follow.html

 オバマは同様に、日米同盟よりも、日中韓が協調し、その協調体制と米国が
連携する形を好む可能性が大きい。折しも先日、初めての日中韓のサミットが
福岡で開かれた。今後、米国が関与せず地域内の諸国のみで問題解決を図ると
いう、日中韓サミット型の地域組織が重要になりそうだ。実は、日本を日米同
盟偏重から離脱させて地域諸国との関係強化にいざなう米国の動きは、ブッシ
ュ政権からのことだ。ブッシュ政権は、日本がオーストラリアやインドと安全
保障上の関係を強化することを望み、対米従属一本槍から乳離れさせようとした。
http://tanakanews.com/070410asia.htm

 報告書は、パレスチナ問題に関しては、ブッシュ政権が作った、米国・EU
・ロシア・国連の4者(カルテット)が主導する「アナポリスサミット体制」
を継承し、以前の米英主導には戻らない。ブッシュ政権は先日、国連安保理で、
ロシアと連携して、カルテット主導の中東和平のやり直しを提案したが、これ
はまさにMGI報告書が提案したとおりの動きである。ブッシュ政権は、オバ
マ政権がやりそうなことの先鞭をつけている。米国の世界戦略は、超党派体制
で、米英中心体制から多極体制への軟着陸を目指している。
http://www.reuters.com/article/worldNews/idUSTRE4BC03920081213

 中東和平に関して、米英はイスラエルの側に立ち、アラブをだます傾向が強
いが、ロシアや国連や中国はもっと中立的である。中東和平は多極体制になる
ほど、イスラエルに不利になる。MGI報告書は、最終的にはイスラエルとイ
スラム諸国が協調できる中東地域の多国間安保体制の枠組みを作るのが目標だ
と書いているが、それができるまでには、入植地撤去、エルサレム分割、難民
帰還など、イスラエルは多くの譲歩を迫られる。

 オバマは、就任したらイスラム世界に対して「協調しよう」と呼びかける構
想を持っている。しかし、これはおそらく逆効果になる。米国のイラク侵攻後、
イスラム世界は反米反イスラエルの世論を強め、イスラエル周辺でもハマスな
どのイスラム主義勢力が強くなったが、イスラエルはこれらの台頭に対抗して
パレスチナ人に対する抑圧を強めざるを得なくなっている。オバマがイスラム
世界に「協調しよう」と呼びかけたら、イスラム側からの返事は「協調したい
なら、まずイスラエルにパレスチナ抑圧を解除させろ」となる。ロシアや、反
米左翼とイスラム主義者に乗っ取る国連も「そうだそうだ」と言うだろう。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1045444.html

 米政府は来年以降、財政難やドル不安にも襲われるだろうから、そんな中で
のオバマの対イスラム協調路線は、米国の外交力の弱体化を象徴するものにし
かならない。米国の後ろ盾を失い、イスラエルは弱くなる一方だ。リクード右
派は「消滅させられる前に、最後の先制攻撃をすべきだ」という「サムソン・
オプション」の主張を強めるだろう。イラン・イスラエル戦争の可能性がしつ
こく残る。
 
 

(無題)

 投稿者:菅田  投稿日:2008年12月 6日(土)18時23分18秒
返信・引用
  ★09年夏までにドル崩壊??
━━━━━━━━━━━━━━

 11月17日、米ワシントンDCでのG20金融サミットが具体的成果をあ
げられずに終わった2日後、欧州のLEAP/E2020(2020年の欧州)
というシンクタンクが「ドルを基軸とした今の国際通貨制度(ブレトンウッズ
体制)は、根本的な改革がなされない限り、09年(来年)夏までに制度崩壊
する。この体制の中心にいる米英が急速に弱体化し、米財政は破綻して、世界
は非常に不安定になり、戦争や暴動が起きる」「世界がドルを見放したら(米
国債を買わなくなったら)、通貨制度改革の交渉もできなくなり、手遅れにな
る。世界の指導者は、3カ月以内に現状を把握し、6カ月以内に対策を決定す
る必要がある」などとする予測を発表した。
http://www.leap2020.eu/GEAB-N-29-is-available!-Phase-IV-of-the-Global-Systemic-crisis-Breakdown-of-the-Global-Monetary-System-by-summer-2009_a24 35.html

 LEAP/E2020は、今回の世界的な金融危機が起きることを察知した
欧州の分析者が、2006年1月に作ったシンクタンクで、07年夏に金融危
機が起きる前から、米不動産市況の崩壊による危機の懸念、ドルや米財政の潜
在危機などを指摘し続けてきた。06年3月に米連銀がドルの通貨供給量M3
を発表しなくなった直後、すでに「ドルが危機的状態に入ったので、連銀は
M3発表を止めたのだ。いずれドルは崩壊する」と指摘していた。
http://www.leap2020.eu/What-is-GEAB-_a188.html

 07年まで、米経済は表向き好調だったので、米経済の崩壊を予測した彼ら
は当初、多くの「専門家」から酷評中傷されたという。(同時期には、すでに
米英発の情報を詳細に分析すれば、経済危機の潜在を察知できたので、私も
06年1月に「アメリカ発の世界不況が起きる」という記事を書き、最近まで
酷評中傷・与太話扱いを受けていた)
http://tanakanews.com/g0125mortgage.htm
http://www.leap2020.eu/GEAB-is-at-the-origin-of-the-concept-of-global-systemic-crisis-_a102.html

 彼らは、今年6月16日には「今年7月から12月末に、世界システムの危
機は佳境に入る」との予測を出している。その後、9月にリーマンブラザース
やメリルリンチなどが相次いで破綻し、米国の金融危機は財政危機と大不況を
併発して急拡大し、まさに予測どおり、世界システム(覇権システム)の危機
は佳境に入った。彼らがこの予測を出した時期は、リーマンブラザーズが最初
に危機に陥った直後で、リーマンは連銀の救済融資を受けて延命したが、いず
れリーマンは危なくなると感じられたころである。
http://tanakanews.com/080609bank.htm
http://www.leap2020.eu/LEAP-E2020-Summer-2008-Alert-July-December-2008-The-world-plunges-into-the-heart-of-the-global-sys temic-crisis_a1800.html

(彼らの予測のうち、経済面は鋭いが、政治面は今一つだ。10月までにイラ
ンが空爆される確率は70%、という予測は違った。エジプトなどの政権崩壊
の可能性60%、というのも外れている。イスラエルが和平傾向を強め、状況
が変わった。とはいえ最近、イスラエル軍は米国に反対されてもイランを空爆
する準備を始めたとか、ペルシャ湾外に米空母が再結集しているという話が出
ており、イランが空爆される可能性はまだある)
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/middle_east/article5284173.ece
http://www.debka.com/headline.php?hid=5747

▼頼りにならない中国

 そのようなLEAP/E2020が「6カ月以内のドル崩壊」の予測を出し
たのは、重視すべきことである。彼らは、ブレトンウッズ機関(IMF、世銀)
の根本的な改革がなされれば、通貨制度の崩壊は防げると言っている。これは、
11月15日のG20会議のテーマでもあり、私なりに理解すると、基軸通貨
がドル一極の状態から、ユーロ、円、人民元などを含む多極的な状態に拡大す
る方向でブレトンウッズ体制が大変革されれば、ドルが信用を失墜しても、国
際通貨体制はソフトランディングしうる。

 しかし今のところ、国際通貨体制は軟着陸しそうもない。たとえば軟着陸に
は、世界有数の富を蓄積するようになった中国人民元の切り上げや国際化が必
要だが、中国政府が最近採った方針はむしろ逆に、ドルに対する人民元の為替
上昇を止める「切り下げ」の方向である。人民元の対ドル為替相場は一定の変
動幅の範囲内で動くように中国政府が市場介入しており、以前は変動幅の上限
に貼りつくことが多かったが、最近は下限に貼り付く事態となっている。中国
政府は人民元安を誘導している。
http://www.marketwatch.com/news/story/chinas-currency-falls-record-against/story.aspx?guid=%7B6A165211-A7D1-4758-AFC0-B5EE46ACABCB%7D&dist=msr_1

 9月のリーマン倒産以来、米欧市場の需要を底上げしていた金あまりを支え
ていたレバレッジ金融の崩壊が急に進み、10月から米欧市場の需要は急減し
て不況に突入した。中国から米欧への輸出も大幅減となり、広東省などでは工
場閉鎖が相次ぎ、失業が急に増えて中国社会は不安定さを増している。中国は、
多様なので不安定になりやすい国だ。中国政府は、国内の安定を最優先せざる
を得ず、国際通貨体制の事情につき合う余裕がない。
http://www.ft.com/cms/s/0/621f0ec4-bca1-11dd-9efc-0000779fd18c.html

 人民元の切り上げを望む米欧の要求は無視され、中国政府は人民元をできる
だけ切り下げ、米欧に対する中国製品の価格競争力をつけて、輸出産業の復活
と失業の抑制を狙っている。中国政府がこうした姿勢をとる限り、人民元の国
際化は進まず、通貨の多極化も起こらず、国際通貨体制は軟着陸できない。ド
ルのハードランディングは不可避となる。国内事情を優先する中国政府の姿勢
は、米欧から自己中心的だと批判されている。「1930年代の大不況時、主
要国が世界全体のことを考えず、自国経済を守るために通貨切り下げ競争に入
り、40年代の第二次大戦を引き起こしたのと似た状況になっている」と指摘
されている。
http://www.telegraph.co.uk/finance/economics/3546471/Chinese-economy-1930s-beggar-thy-neighbour-fears-as-China-devalues.html

 中国政府は11月、中国に内需拡大を要求する米欧の圧力を受け、6000
億ドル(4兆元)の内需拡大用の財政支出を行うと表明した。しかし、その大
半は、政府自身が出さず、省などの地方政府に「地方政府の予算で需要喚起の
ための財政支出を増やせ」と命じるだけのもので、実際に地方政府が支出を実
行するかどうかは非常に怪しい。中国経済は成長が減速しており、世界経済の
牽引役となること期待するのは無理だとという論調が出ている。
http://www.reuters.com/article/newsOne/idUSTRE49N5VU20081109
http://www.iht.com/articles/2008/11/25/opinion/edbowring.php

 世界経済の現状は、通貨の多極化も、消費の多極化も、遅々として進まない。
このままだと、ドルに代わる基軸通貨体制が決まらないまま、ドルに対する国
際信用が失墜し、米国債が不履行になって長期金利が急騰し、ドル建ての石油
や金や食料の価格が高騰してインフレが再燃する。世界経済は大混乱し、戦争
や暴動が起き、LEAP/E2020が予測する事態が起きうる。

▼自作自演の米国債買い取り

 ドルは、延命する可能性もある。ドルの破綻は、長期米国債が売れなくなる
ところから始まりうるが、米連銀は最近「量的緩和策」の一環として、米国債
が売れ残る事態に備えて、連銀があまった米国債を買い取る新政策を検討して
いる。名目上、連銀は政府から独立した機関であり、ドルの輪転機を回して刷
るだけで米国債を買うことが可能だ。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601068&refer=economies&sid=aziecc.MkO28

 すでに連銀は、金融危機対策として民間債券を買いまくり、この1年間で3倍
の資産膨張をしている(連銀資産は1兆ドルから3兆ドルへと増えつつある)。
この策の拡大版として、民間だけではなく政府の債券を買うのが、今回の新政策だ。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601039&refer=columnist_berry&sid=aohbHGXFYtKU

 このやり方をすれば、毎回米国債は完売し、長期金利の上昇という財政破綻
の兆候も出現せず、ドルは崩壊しない。連銀が米国債の購入を検討していると
発表した直後、長期米国債の売れ行きが急に良くなり、長期金利が下がった。
米国と同様に財政赤字が急増している英国の中央銀行も、同様の延命策を検討
している。
http://www.moneyandmarkets.com/the-biggest-bubble-of-all-long-term-treasuries-2-28537

 しかし連銀は事実上、米政府の機関である。財務省が売り出す米国債を連銀
が買うのは、自作自演の錬金術であり、ドルの発行者である連銀の信頼を失墜
させる。数カ月から1年ぐらいは延命できるかもしれないが、その後に起きる
ドルに対する信用失墜の表面化は、手に負えない巨大なものになる。

▼悪ガキに乗っ取られた国連が世界を救う?

 今週は、国連(DESA+UNCTAD)も「来年は、ドルのハードランデ
ィングがあるかもしれない」と予測する報告書(World Economic Situation and Prospects 2009)を発表した。報告書によると、今はまだ、株や債券から
逃避した資金が米国債に向かっているのでドルは安泰で、経済減速がデフレの
傾向を生んでいるが、これが一段落すると、ドルに対する不安が主たる懸念に
なる新事態に転換するかもしれず、そうなるとドルは早ければ来年(09年)、
他通貨に対する急落やインフレを引き起こすかもしれない。
http://unctad.org/Templates/Download.asp?docid=10852&lang=1&intItemID=2068

 国連は、この報告書を毎年発表しており、昨年や一昨年から、米国の貿易赤
字拡大や、米住宅市況の悪化が引き金となって、ドルはハードランディングす
るかもしれないと予測されていた。今のところ、予測は外れているが、今後は
わからない。
http://www.un.org/esa/policy/wess/wesp2007files/wesp2007.pdf

 IMFと世界銀行という「ブレトンウッズ機関」(1944年のブレトンウ
ッズ会議で設立された機関)は、国連の機関である。国連では今、中南米(ニ
カラグア)左翼出身のミゲル・デスコト・ブロックマンが国連総会議長となり、
彼を中心に、発展途上国の代表が国連を牛耳り、従来の米英中心体制をぶち壊
しにかかっている。国連は、左翼とイスラム主義者に乗っ取られている。以前
に書いた「国連を乗っ取る反米諸国」の流れである。
http://www.tanakanews.com/080928UN.htm

 国連総会を掌握する彼らは、安全保障理事会を中心とした従来の国連の意志
決定メカニズムを壊している。彼らは、総会の下にある「社会経済理事会」の
傘下にIMFと世銀を組み入れる新体制を計画中で、欧州がIMFトップ、米
国が世銀トップを出して米欧がIMFと世銀を支配していた、従来の構造を終
わらせようとしている。
http://www.gulf-times.com/site/topics/article.asp?cu_no=2&item_no=258473&version=1&template_id=57&parent_id=56

 左翼やイスラム主義者に乗っ取られて機能不全に陥っているかに見える国連
だが、その国連は、ドルのハードランディングを防ぐための方策を提案してい
る。11月29日、中東カタールのドーハで、国連の経済会議(開発資金会議)
が開かれた。この会議は2002年の途上国経済発展に関する「モンテレー合
意」の実行を総括することが目的だが、モンテレー合意には、国際金融システ
ムの改革も含まれている。
http://english.aljazeera.net/focus/2008/11/20081128152450921108.html

 会議に際して記者会見したデスコト国連総会議長は「従来の国際金融システ
ムは、もはや機能していない。新たな金融システムを作る必要がある。新たな
システムを作るための国際会議を、来年3月に開くことにした。世界のすべて
の国家元首に招待状を出す」と発表した。これは、提案のされ方から考えて、
11月に米ワシントンDCで開かれた「第2ブレトンウッズ会議」の続きであ
る。国連を乗っ取った左翼やイスラム主義者たちは、新たな国際通貨体制を作
ろうとしている。しかし、彼らにそんなことができるのだろうか。
http://www.gulf-times.com/site/topics/article.asp?cu_no=2&item_no=258441&version=1&template_id=36&parent_id=16

 ドーハの国連会議には、IMFも世銀もトップが来ず、主導役はみな発展途
上国の代表だった。記者会見したデスコト総会議長は、IMFと世銀の欧米人
トップたちの不参加を批判した。どうも欧米人たちは、国連を途上国の勢力に
乗っ取られたことが不満で、ドーハ会議を欠席したかのようである。しかし同
時に、フランスのサルコジ大統領や、ロシアのメドベージェフ大統領といった
多極主義系の主要国の首脳たちは、デスコトのやり方を評価している。
http://www.innercitypress.com/ban1doha112808.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/11/29/AR2008112901930.html

 多極主義者たちは、米英の影響力から最も遠い勢力である中南米左翼やイス
ラム主義者といった発展途上国の代表たちに、国際通貨制度の作り直しを任せ
る戦略をあえて採っているのだろうか。国連を乗っ取っている途上国の連中は、
教師(英米)がいなくなったすきに教室の後ろの方で大騒ぎしている悪ガキの
ようにしか見えないが、実はニューヨーク資本家筋の、世界システムを知り尽
くした連中が、こっそり入れ知恵をしているのかもしれない。(かつてロシア
革命にトロツキーを送り込み、「世界革命」によって英国の覇権体制を壊そう
としたように)
http://tanakanews.com/080903russia.htm
http://tanakanews.com/081021bank.htm

 あるいは、世界を多極化するために不可欠な米英中心体制の崩壊を間違いな
く引き起こすために、意図的に未経験で無能な勢力に国際社会の運営を任せて
いるのか。どちらにしても、世界の運命は「途上国の悪ガキども」の手に握ら
れている。この現状自体が、国際政治のダイナミズムを示しているとも感じら
れる。しばらくは、国連の動向から目が離せない。
 

教えて

 投稿者:菅田  投稿日:2008年10月 3日(金)05時22分2秒
返信・引用
  エコキュートを体験して入る方、実際は経済的にどうなのでしょうか? 教えてください。  

情報を提供下さい。

 投稿者:橋本  投稿日:2008年 9月 4日(木)09時29分8秒
返信・引用
  首都圏周辺で光ファイバー付きマンションにお住まいの方、いらっしゃいませんか?お尋ねしたいことがあるのですが。。。  

(無題)

 投稿者:中部  投稿日:2008年 8月29日(金)07時14分12秒
返信・引用
  BRICs経済研究所のエコノミスト・門倉貴史が、BRICsに続くグループとして2006年11月に提唱した造語でVISTA(ヴィスタ)があり、V ベトナム 、I インドネシア、S 南アフリカ共和国、T トルコ、A アルゼンチン が該当すると思います。また、ゴールドマン・サックス経済調査部が、50年後の世界経済において、BRICs各国ほど甚大ではありませんが、非常に大きな影響力をもたらす潜在性を秘めた国々として、新たに11ヵ国を取り上げ、「ネクスト11(Next11)」と名付けています。
イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、バングラデシュ、パキスタン、フィリピン、ベトナム、メキシコがそれに該当します。タイはいずれに該当しませんが、テレビでご覧になったのはVISTAのことではありませんか。
 

誰か教えて

 投稿者:信二  投稿日:2008年 8月26日(火)21時49分14秒
返信・引用
  BRICs(ブリックス)に続く次代の新興国群で、
トルコ、ベトナム、タイなどを総称する用語を、なんといいますか?
以前テレビでちらっと聞いたのですが、忘れてしまいました。
 

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